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鼻づまりをすぐに解消する方法・裏ワザ(寝るとき)

鼻づまりの原因

鼻づまりの原因人は一般的に鼻で呼吸をしています。ところが、何らかの理由で鼻の空気の通り道が狭くなってしまい、「呼吸がしにくい」と感じるのが鼻づまりです。
風邪などによる一時的な鼻づまりは、それほど心配することもないのですが、なかなか治らなかったり、慢性化して常に鼻がつまっている状態になってしまったりすると、口呼吸になってしまい、喉をいためやすくなる、仕事や勉強に集中できないなどといった悩みがおこってくることもあります。
ここでは、鼻づまりがおこる原因と治療法、家庭でもできるかんたんな解消法について考えてみます。

鼻の粘膜が腫れている

鼻の粘膜が炎症を起こすと、腫れてきて空気の通り道が狭くなり、鼻づまりの状態になります。粘膜が腫れてくる症状をおこすのは風邪や急性・慢性の副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎、妊娠性鼻炎などが考えられます。

鼻水の分泌が過剰

鼻の粘膜からは、粘液である鼻水が分泌され、細菌や異物などの侵入から鼻腔や喉などを守る働きをしています。この粘液が過剰に分泌されることで鼻腔の空気の通り道が塞がれて鼻づまりの状態をおこします。
また鼻水が固まってしまい、それが通り道を狭くしてしまうこともあります。
鼻水が多いと鬱陶しく鼻をかみすぎてまた悪化させるなどということもあり注意が必要です。
こうした症状の多くは、風邪やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(急性・慢性)などが原因となっています。

鼻中隔弯曲症

鼻の穴を左右に隔てている壁を鼻中隔(びちゅうかく)といいます。
通常、この壁はおよそまっすぐに左右を分けているのですが、なんらかの理由で歪んだり弯曲したりしていて、それが空気の流通を妨げて鼻づまりになることがあります。詰まりの程度によっては根治のために手術を検討します。

鼻ポリープ・腫瘍

副鼻腔炎によって、副鼻腔内には鼻ポリープができることがあります。これを鼻茸ともいいます。
このポリープが鼻腔内にも飛び出してくると、空気の通りが悪くなり、鼻づまりの状態になります。副鼻腔炎以外にも乳頭腫という良性の腫瘍が鼻腔内にできることもあります。
基本的には、手術によって取り除くことになります。手術は内視鏡下副鼻腔手術で痛みや出血はほとんどありません。

異物

米粒や錠剤、ティッシュの切れ端などがくしゃみとともに鼻の奥に入ってしまうことがあります。
またお子さんの場合はおもちゃの部品やビー玉などを吸い込んでしまうこともあります。
異物が入ったままになって空気の通りが悪くなったり、その部分で炎症をおこしたりして鼻づまりもおこります。
鼻鏡などを使って取り出すことで治りますが、炎症がひどい場合は抗菌剤や消炎剤を処方することもあります。

上咽頭の腫れ

鼻の奥は喉と繋がって咽頭部となっていきます。口を大きく開けたときに見える部分が中咽頭で、それより上の部分を上咽頭といい、下は下咽頭です。この上咽頭の部分が細菌やウイルスに感染したり、口呼吸によって乾燥したり、冷たい空気にさらされた刺激などによって腫れてしまうことがあります。これを上咽頭炎といいますが、その腫れによって鼻が詰まった感じがすることがあります。風邪と同様に抗炎症薬などの対症療法、抗菌薬などの内服や点鼻などを行います。家庭では鼻うがいなどが効果的な場合もあります。
上咽頭の腫れの原因としては、その他にもアデノイドや鼻咽腔血管線維腫によるものもあり、また稀なケースとして上咽頭がんが発症していることもあります。症状が続く場合は一度耳鼻咽喉科を受診してください。

鼻水、鼻づまりを自宅で
軽減するケア方法

鼻水、鼻づまりを自宅で軽減するケア方法夜中に鼻水や鼻づまりがおこってしまっても、救急で受診するほどでもないけれども、眠れなくて困るといったような場合、自宅で症状を軽減する方法をいくつかご紹介します。
症状がなかなか治らない、悪くなっていくといったような場合には、はやめに耳鼻咽喉科を受診してください。

あたためる

炎症がひどく、発熱しているような場合を除いて、入浴して体あたためると、血行が改善して鼻づまりも治ることがあります。
同様の効果は蒸しタオルでも得られます。水で濡らして硬くしぼったタオルを電子レンジで1分ほど(機種によって異なります)あたためるとかんたんに蒸しタオルをつくれます。蒸しタオルを作るときは、くれぐれも火傷にはご注意ください。

吸い取る

昔は赤ちゃんの鼻が詰まったときはお母さんが口で吸い取ったりしていましたが、現在では感染症の危険などもあるため、お勧めできない方法です。
市販の鼻吸引器(鼻吸い器)やスポイトなどを使って、吸い出してください。

拭く

お子さんに有効な方法として、濡れたティッシュ(刺激性のあるアルコールなどが含まれたウェットティッシュはおすすめできません)で鼻の穴のまわりに流れ出た鼻水を拭き取ってあげたり、先を小さく丸めたティッシュで鼻の中を回転させるようにして抜き取ったりすると、鼻水がどっと取れることがあります。また、紙縒り(こより)を作って鼻の中をくすぐってくしゃみを出すのも有効な方法の一つです。
拭き取ったあとは保湿剤を塗っておくようにしてください。

鼻づまりを解消する裏ワザ

鼻づまりを解消する裏ワザちょっとした生活の工夫で鼻づまりを軽くしたり解消したりすることができます。夜間や仕事中などですぐに受診できないときにはお試しください。
なお、ここに挙げた方法はあくまで一時的なものですので、症状が続いたり、繰り返したりするような場合はできるだけ早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

1. 体操やツボなど

体操、ボールやペットボトルなどを使って交感神経を刺激する

背中側に両手をまわし、手のひらが上になるようにして、指をしっかりと絡ませながら手を組みます。手のひらを親指の側から裏返して両腕を後ろに向けてぐっと伸ばします。そのまま20ほど数えてください。とくに薬指と小指をしっかりと絡ませるのがコツです。
腋の下にボールやペットボトルなどの弾力性のあるものをはさむことによっても、同じような効果を得ることができます。その際、鼻づまりがある方と反対の腋の下にはさむのがコツです。
この方法は、腋の下にある交感神経が刺激されますが、この部分は鼻腔にある鼻甲介というヒダのような部分と繋がっているため鼻づまりが解消します。ただし、この効果はあくまで一時的なもので、たとえばペットボトルを20秒ほどはさむことで1~2分鼻の通りがよくなるといった具合です。やりすぎるとしびれてしまいますので気をつけてください。

ツボ刺激

鼻づまりに効果の高いツボを刺激することによって、鼻づまりを軽減することができます。
ツボは小鼻の両脇にある迎香(げいこう)、その少し上にある少しへこんだ感じのする上迎香、目頭の高さの鼻柱の両脇にある晴明、眉と眉の中間にある印堂が効くといわれています。これらのツボを痛くない程度に指で押してみてください。

痛くない鼻うがい

鼻うがいはご自分で作った生理食塩水でもできますが、市販の鼻うがい薬がお手軽でおすすめです。容器についているノズル部分を鼻の穴に近づけて、噴霧するさいには気管から肺へと水が入ってしまわないように「あー」と声を出しながら、強くなりすぎないように優しく薬液を吹き付けてください。
鼻うがいは、鼻甲介という鼻腔にあるヒダの部分を掃除するだけでも効果がありますので、あまり奥へ入れようとしないでください。もちろん多少咽の奥へと薬液が流れても問題はありませんし、反対側の鼻の穴から出てきてしまっても心配ありません。
洗浄がすんだら、ティッシュで軽く鼻をかんで残っている水分を出してください。

2. 食べ物と飲み物

鼻づまりに効く食べ物や飲み物があります。以下にその代表例を挙げておきます。

アジ、イワシ、サンマ

DHAやEPAといった人の体で生産できない多価不飽和脂肪酸は、アレルギー性鼻炎の症状を軽減するといわれています。アジ、イワシ、サンマといった青魚類はこれらを多く含んでいます。

しそ

シソの種子や大葉とよばれる青ジソにはルテオリンと呼ばれる物質が多く含まれています。ルテオリンには消炎作用があります。またロスマリン酸というアレルギーを鎮める働きのある物質も含まれています。

炭酸飲料

炭酸の入った飲み物は鼻づまりを軽減する効果があります。一度に勢いよく飲まずに、ゆっくりと炭酸を鼻に通すような感覚で飲むようにすると効果的です。

緑茶

緑茶にはカテキンが多く含まれています。カテキンは抗酸化作用や殺菌、抗菌作用があります。またアレルギーの症状を軽減する作用もありますので、鼻づまりや目のかゆみといったアレルギー症状に効果的です。

3. 市販薬

血管収縮剤入りの点鼻薬の
使用について

たくさんの種類の点鼻薬が市販されています。どの製品もアレルギーを抑えたり、炎症を抑えたりするための成分の配合が工夫されています。
このうち、血管を収縮させる成分である血管収縮剤は、鼻甲介(鼻腔内のヒダの部分)にある血管を収縮させ即効的に腫れを鎮めます。そのため効果が大変高く感じられますが、反面、用法や用量を守らずに使ってしまうと、かえって血流を悪くして悪化させてしまうこともあります。
説明書をよく読んで、しっかりと用法・用量をまもって使用する必要があります。
また長期間の使用も同様の危険があります。2週間程度使用しても効き目があらわれないときには、使用を中止して耳鼻咽喉科を受診してください。
なお、血管収縮剤が含まれているかどうかは、成分表示だけではわかりにくいため、インターネットなどで調べるか、薬局で訊ねるとよいでしょう。

子供が鼻づまりで寝れない時の
オススメ解消方法

蒸しタオルで鼻をあたためる

大人の場合と同じですが、蒸しタオルを作って鼻にのせてあたためてあげるのが効果的です。蒸しタオルは水で濡らしたタオルを絞って電子レンジで1分程度温めることで簡単につくれます(機種やワット数によってことなります)。
ただし、炎症がひどいとき、熱があるときなどはかえって逆効果ですので、ご注意ください。またお子さんはとくに肌がデリケートですからくれぐれも火傷しないよう、蒸しタオルを何度か軽く拡げて閉じるなどして、温度調節をしてから使用してください。

部屋の加湿

炎症には乾燥が大敵です。鼻づまりや咳などが悪化してしまうこともありますので、加湿器などで十分部屋の湿度を保つようにしてください。
加湿の目安は湿度40~60%程度がよいでしょう。

首・手首・足首をあたためる

首や手首、足首といった部分が冷えることによって、鼻づまりやくしゃみなどが悪化しやすくなります。
タオルやネックウォーマー、レッグウォーマーなどを使って各部を暖めると症状の悪化を防ぐことができます。

市販の鼻吸い器を使用する

家庭用の鼻吸引器(鼻吸い器)を使用して鼻を吸い出すのも効果的です。スポイトでも同じ効果が得られます。
赤ちゃんだからといって親御さんが口で吸い出すのは感染の危険もありますので、くれぐれも避けてください。

寝る姿勢を工夫する

クッションや座布団などを工夫して、上体を少し高くする、鼻のつまっている方を上にするなど、眠る姿勢を変えることによって鼻づまりが軽減することがあります。

鼻づまりに関するQ&A

鼻づまりを予防するための日常的な注意点はありますか?

鼻づまりを予防するために以下の点に注意してください。
手洗いやうがいを徹底する、アレルギーの原因物質を避ける、タバコの煙を避ける、十分な睡眠をとる、バランスの取れた食事を摂るなどが挙げられます。

鼻づまりが頻繁に起こる場合、どのような専門医に相談すればいいですか?

鼻づまりが頻繁に起こる場合は、耳鼻咽喉科専門医に相談することをおすすめします。
専門医が適切な診断を行い、適切な治療方法を提案してくれます。

鼻づまりが慢性的に続いている場合、手術が必要になることはありますか?

ほとんどの鼻づまりの原因は手術で改善されます。
例えば、鼻中隔弯曲症や下鼻甲介の肥大を矯正する手術や副鼻腔炎手術、後鼻神経切断術が考慮される場合がありますが、それらの適切な治療法については耳鼻咽喉科専門医と相談する必要があります。

子供の鼻づまりに対して有効な治療法はありますか?

加湿器の使用、塩水洗浄、頭を高くして寝かせる、蒸気の吸入などがおすすめです。
ただし、症状が長引く場合や悪化するようなら小児科医に相談してください。
10歳以上であればレーザー手術なども可能ですし、もう少し上の年齢であれば下鼻甲介の手術や後鼻神経切断術も可能です。

鼻づまりを緩和するための簡単なマッサージ方法はありますか?

親指と人差し指を使い、鼻の両側を軽く押すと、鼻の通りが良くなることがあります。
また、眉間を中心に円を描くように指を滑らせると、顔の血流が改善されることで鼻づまりが軽減されるかもしれません。
ただし、強い圧をかけないように注意してください。

監修医師

医院名 医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック
院長名 川村繁樹
資格 医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医
川村繁樹