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鼻水の色(緑、黄色、透明、
茶色、黒い)考えられる疾患

鼻水の色や粘り気などの
特徴から考えられる疾患

鼻水の色や粘り気などの特徴から考えられる疾患鼻水には、透明なものから黄色や緑色、茶色いもの、黒いものといくつかの色の特徴があります。
また、粘り気が少なくさらさらしたものや粘り気が多くドロっとしたものなど、性質の特徴もあります。
これらの特徴によって原因となっている疾患がわかることがあります。
とくに黄色や緑色、赤や褐色の鼻水が続く場合は、お早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
放置して適切な治療を受けないと急性で治りやすいものが慢性化してしまったり、重篤な疾患が隠れていたりする場合があります。
こんな程度のことと思っても、まよわずにご相談ください。

透明な鼻水

透明な鼻水の場合、一般的にはサラサラと粘り気がなく垂れやすいといった特徴があります。

考えられる病気

風邪の初期、アレルギー性鼻炎、鼻性髄液漏

白い鼻水

透明な鼻水に粘り気がでてくると白っぽく半透明になります。

考えられる病気

風邪が悪化してくるとよく見られます。

黄色い鼻水

鼻水が黄色い場合、炎症による化膿が考えられます。一般的には粘り気があり臭いますが、上顎洞嚢胞による鼻水の場合は黄色くてサラサラしているのが特徴です。

考えられる病気

粘り気がある場合:悪化した風邪やアレルギー性鼻炎副鼻腔炎など
粘り気がない場合:上顎洞嚢胞

緑色の鼻水

緑色の鼻水は一般的には粘り気があり臭います。感染した細菌などの死骸が含まれて緑色っぽくなっていることが考えられます。

考えられる病気

治りかけになった風邪やアレルギー性鼻炎副鼻腔炎など

赤い色の鼻水

鼻水が赤い色をしているときは、血が混じっていることが考えられます。時にはかなくさいような血の臭いがすることもあります。

考えられる病気

鼻血、異物が詰まっている、腫瘍があるなど

茶色い鼻水

少し粘り気のある鼻水です。茶色っぽい鼻水がでる場合、鼻水にまじった少量の血液が酸化し変色していることが考えられます。やや粘り気があるケースが多いようです。

考えられる病気

副鼻腔炎の炎症が悪化してきているとき、鼻腔に腫瘍があるケースなど

黒い色の鼻水

黒くてサラサラした鼻水が出た場合は、鼻水にカビ(真菌)が混じっていることが考えられます。

考えられる病気

真菌感染症など

鼻水の色や特徴でわかること

鼻水の色や特徴でわかること鼻水は、その色と粘り気によって、鼻の中がどんな状態になっているかのバロメーターになります。
色の変化は、出血の有無や免疫機能の状態をあらわしていますし、粘り気の有無は炎症の状態に関係しています。
たとえば、赤や茶色(褐色)になると鼻の内部で出血があるサインですし、黄色や緑の鼻汁は免疫機能が働いて炎症による老廃物や細菌などの死骸が混じっているサインになっています。
粘り気のないサラサラした鼻水の場合は、炎症の初期やアレルギー反応、稀には髄液の場合があり、粘り気のある鼻汁は細菌やウイルスへの感染やアレルギーによる炎症が進んだ状態をあらわします。
鼻水に色がついてきた、粘り気がでてきたなどのケースでは、はやめに耳鼻咽喉科を受診してください。

検査方法

問診で患者さんの状態の聴き取りをおこない、それにあわせて鼻鏡や内視鏡で鼻の内部の視診で鼻水の量や質、粘膜に炎症があるかどうかなどを確認します。
副鼻腔炎や腫瘍などが考えられる場合はCTやレントゲンによる画像検査を行うこともあります。
またアレルギーが疑われる場合は、血液検査やスクラッチテスト、皮内テスト、鼻粘膜誘発テストなどによってアレルゲンを特定します。
髄液漏が疑われる場合は内視鏡の検査やCT、MRIなどの検査を行います。

よくある質問

透明でサラサラの鼻水であればあまり心配ないとききましたが?

たしかに、風邪やアレルギーなどの初期症状や寒暖差アレルギーなどのケースが多いのですが、放置すると悪化してしまうこともあります。
またサラサラで透明な鼻水でも垂れてくるほど量が多いときも注意が必要です。頭部外傷の後などで片側だけの水っぽい鼻水が続く場合は髄液漏の可能性もあるので早めに耳鼻科を受診して下さい。

黄色い鼻水は治りかけとききましたので、受診しなくてもよいですか?

黄色い粘り気のある鼻水は、副鼻腔炎の場合にも見られます。念のため、受診されることをおすすめします。
副鼻腔炎でも黄色い粘り気のある鼻水がでることがあります。
またサラサラした黄色い鼻水が大量に出るときは、上顎洞嚢胞なども考えられますので、放置せずに一度受診することをお勧めします。

鼻水が喉の方へ流れてくるのですが大丈夫でしょうか

鼻の奥のほうや副鼻腔で炎症が起こっている可能性があります。いわゆる後鼻漏(こうびろう)という状態です。
悪化することもありますので、一度ご相談ください。

黄色や緑色の鼻水が喉に流れてきて気持が悪くなります

そうした症状の場合、一番考えられるのが副鼻腔炎です。
副鼻腔炎は適切な治療を受けることによって症状を抑えることが可能です。
一般的には鼻水を吸引し鼻腔内を洗浄するなどして、ネブライザーで副鼻腔内に薬を噴霧します。
その他にも抗菌薬や消炎薬を内服することもあります。
どうしても症状がおさまらない場合は、手術を検討しますが、内視鏡下副鼻腔手術でほとんど痛みや出血もありませんのでご安心ください。

子どもがずっと鼻水をだしっぱなしなのですが

細菌感染などのケースもありますが、多くの場合アレルギー性鼻炎であると考えられます。耳鼻咽喉科を受診して、アレルギーの有無やアレルゲンの特定のための検査を受けることをお勧めします。
アレルゲンが特定できれば、薬物療法が可能になります。
また当院では、アレルギー性鼻炎に対する低温高周波治療であるコブレーション治療も行っていますので、お気軽にご相談ください。

花粉症の場合でも、茶色っぽい鼻水が出ることってありますか?

花粉症の場合、多くは透明で粘り気のない鼻水が出ることが多いのですが、炎症の状態によっては少量の出血が見られるケースもあります。
そんなときには鼻水は茶色っぽくなります。また、花粉症で鼻の粘膜が弱くなっているところに細菌感染して悪化している可能性もあります。
一度耳鼻咽喉科を受診してください。

鼻水の中に、黒っぽい線や粉のようなものが混ざっています

喫煙者や土埃などが多い環境で仕事をする人などで黒っぽい汚れが鼻水にまじることがありますが、多くの場合は真菌が鼻腔内で繁殖していることが考えられます。
真菌は思わぬ重篤な症状を起こすこともありますので、お早めに耳鼻咽喉科で検査を受けてください。

緑色の鼻水で、鼻をかんでもほとんど出てこず、ずっと詰まっています

副鼻腔炎の炎症による膿などが混ざっている可能性があります。
悪化の可能性もありますので、抗菌剤を処方することになります。お早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

風邪を引いているのですが、鼻をかむと右の鼻のみ薄赤い鼻水が出ます

風邪の炎症が強いための出血がほとんどでしょうが、薄赤い鼻水の場合、腫瘍が潜んでいるケースもあります。
症状がずっと続くような場合は、一度耳鼻咽喉科で検査を受けてください。

ひどい鼻水、鼻詰まりの場合でも鼻うがいをしても大丈夫ですか?

細菌やウイルスなども一緒に洗い流すこともできますし、アレルゲンも排除することができます。
適切な用法を守っての鼻うがいは大変効果が高いといえます。

鼻の病気や症状は、子供にも遺伝することがありますか?

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の場合、遺伝的な要素が認められることもあります。
その他の疾患ではほとんど遺伝的要素は見受けられません。

監修医師

医院名 医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック
院長名 川村繁樹
資格 医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医
川村繁樹