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レーザー手術や点鼻薬でも
治らない鼻づまりの原因と
治療法

慢性的な鼻づまり、頑固な鼻づまりは集中力や睡眠の妨げになり、とてもつらいものです。日常生活に支障をきたすだけではなく、頭痛の原因になったり、集中力が低下したりして仕事や勉強の効率も悪くなります。
鼻づまりの中でも特に、以下などの症状がある場合は結構治りにくい鼻づまりだと言えます。
では、その原因と対処法を説明します。

  1. 市販の点鼻薬や病院で処方された点鼻薬でも一時的な効果しかない
  2. 病院の内服薬では効果が実感できない
  3. レーザー手術を受けても効果が短い、あるいは弱い
  4. 昼間も鼻がつまるが、特に夜間に寝るとつまりやすい
  5. 両方、あるいはどちらかが常につまっており、左右が完全に通ることがない

正常の鼻腔

正常の鼻腔まず正常の場合ですが、図1の赤い枠で囲まれた範囲が鼻の中で空気が通る部分です。
すなわち、この青い部分が十分に広ければ鼻づまりは起こりにくく、少ないと鼻がつまりやすいことになります。正常の場合は左右の鼻を分ける鼻中隔がほぼまっすぐで、下の方にある下鼻甲介も上方にある中鼻甲介もそれほど大きくなく、青い部分が十分あります。

鼻づまりの鼻腔

鼻づまりの鼻腔

ポリープと膿性鼻汁

骨の構造

鼻中隔が弯曲していたり下鼻甲介の骨が大きい、あるいは偏倚したりすると物理的に鼻の中は狭くなります。この場合は点鼻や内服では骨は小さくなりませんので、鼻づまりを治すには手術的に骨をまっすぐにしたり、削ったりするしかありません。

下鼻甲介粘膜の腫れ

下鼻甲介や中鼻甲介は内部に骨があり表面を粘膜で覆われていますが、特に下鼻甲介の粘膜は血管が豊富でここの血管が拡張すると粘膜が腫れて鼻づまりの原因になります。アレルギー性鼻炎や就寝時に横になったりすると粘膜は腫れやすくなるので鼻づまりが起こります。
市販の点鼻薬などの血管を収縮させる方法は病院での処置で一時的に改善する場合はありますが、薬の効果が切れると元に戻ってしまいます。
レーザー手術は粘膜を焼いて縮める方法ですのである程度は有効ですが、高度の腫れの場合は限界があり、数年で効果は薄れてきます。
そのような場合はアレルギー反応を抑えて血管を拡張させる神経を処理する後鼻神経切断術が最も有効です。

中鼻甲介蜂巣

鼻腔の上方にある中鼻甲介は成長とともに風船状に腫れる場合があります。この中の空気は外と交通しませんので鼻づまりの原因になります。これも薬は無効で手術的に半分切除するしか方法はありません。

ポリープ(鼻茸)

副鼻腔炎が慢性かつ高度になるとしばしばポリープが発生します。軽度な場合は薬で小さく、あるいは消失する場合もありますが、一般的にはポリープができる副鼻腔炎は高度な場合が多く、薬や処置で消失する事は稀です。その場合はポリープを削る処置が必要です。

いかがでしょうか?これらがレーザー手術や薬でも効果が乏しい鼻づまりの原因と対処法です。 すなわち骨の構造に問題があったり、下鼻甲介粘膜の腫れが高度な場合には市販の点鼻薬、内服薬、レーザー手術でも限界があります。
そのような場合は骨の構造を治すには手術しかなく、下鼻甲介の腫れを小さくするには下鼻甲介の骨を摘出して後鼻神経を切断する手術が最も効果的と考えます。
これらの手術は日帰り局所麻酔で可能ですので、長年お悩みの方は一度ご検討下さい。

レーザー手術や点鼻薬でも
治らない鼻づまりに
関するQ&A

レーザー手術を受けたのに、鼻づまりが改善しない理由は何ですか?

レーザー手術は特定の鼻の問題に対して有効な場合がありますが、全ての鼻づまり症状に対して効果があるわけではありません。
鼻中隔弯曲症や肥厚性鼻炎など骨の構造に問題がある場合や血管運動性鼻炎、神経反応が強い場合などはレーザー手術では改善しない場合があります。

点鼻薬を使っても鼻づまりが治らないのはなぜですか?

点鼻薬は鼻腔粘膜の腫脹を一時的に改善するだけですので骨の構造や後鼻神経の過敏など他に問題がある場合は効果が期待できません。
点鼻薬は一部の患者さんには一時的に鼻づまりを緩和する効果がありますが、長期的に使用すると薬剤耐性が発生する可能性があります。
また、点鼻薬が鼻づまりの根本的な原因を解決するわけではないため、治療効果が持続しない場合があります。
医師に相談して適切な治療方法を見つけることが重要です。

レーザー手術や点鼻薬以外に効果的な治療方法はありますか?

はい、他にもいくつかの治療方法があります。最も有効なのは 鼻中隔の湾曲や 肥厚性鼻炎など 骨の構造を矯正するとともに粘膜を腫らす後鼻神経の切断を行う方法です。
鼻ポリープや副鼻腔炎に対しても手術が必要な場合があります。
また、免疫療法や抗アレルギー薬、抗生物質などの薬物療法も鼻づまりの原因に応じて効果的です。
専門医と相談して最適な治療法を選択しましょう。専門医と相談して最適な治療法を選択しましょう。

鼻づまり症状を改善するために自分でできる対策はありますか?

はい、いくつかの自己ケア方法があります。
例えば、湿度の高い環境で過ごす、洗浄塩水を使って鼻腔を清潔に保つ、アレルゲンを避けるなどが挙げられます。
ただし、治りにくい鼻づまりの場合は医師の指導のもとで対策を行うことが重要です。

鼻づまりの原因を特定するための検査はありますか?

はい、鼻づまりの原因を特定するためにはいくつかの検査があります。
鼻内視鏡検査やアレルギー検査、鼻のCTスキャン、鼻腔通気度検査などが一般的に行われます。
これらの検査を通じて、鼻づまりの原因をより正確に特定し、適切な治療を行うことができます。

監修医師

医院名 医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック
院長名 川村繁樹
資格 医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医
川村繁樹